DaTmusic DAMIYA holoholo

アクセスカウンタ

zoom RSS 小さな冒険者 その2

<<   作成日時 : 2017/05/05 03:03   >>

ナイス ブログ気持玉 9 / トラックバック 0 / コメント 0

小さな冒険者 そのニ

さて続きは辺りには人がほとんど居ない広大なグリーンの大地にて。
画像

(しかしホントにみんなここ知らないのねー。)
小舟になって旅立ったエメラルドを見送り、送ることは自分がまた1人ぽっちになってしまう事に気がつく。
僕はある意味では何処にもいけるし同時に何処にも行けないのだ。
画像


「ふーん自分はエメラルドと言うのか」
「所詮は誰かが勝手に付けた呼び名だな」
ワレオモウユエニワレアリ、他人のレッテルなんかどうでもいいさ。
僕は水に浮いているから舟、陸に上がればただの燃えないゴミ。
おかずが僕の上に盛られれば小皿だ。
まったく勝手な事をしてくれる、自分ことぐらい自分に決めさせて欲しいものだ。

もし僕がエメラルドならこんな感じに思っているような気がします。
少しひねくれ者のへそ曲がりね。
面白いのでこのまま彼の事を想像して見ますね。

まあいいか。
この辺りは湧き水が多いから小川も綺麗、ポカポカ陽気で流れもゆるやかな良い感じ。
何もしないで心地よくゆらゆらと眠ってしまいそうだ。
この辺りにはいたずらな魚もいないし虫だって岸からここまで遠すぎて来れないようだしいい気味だ。
ははん。
プカプカ。
川岸の桜が満開の時を迎えています。
でも時々「僕は小舟なのかゴミなのか」と不安定な気持がよぎります。
と同時に春風がざーっ。
桜の花びらがひらひらと川を流れるエメラルドの上にそっと。
花びら一つ。
「ようこそお越しくださいました!」
初めてのお客さまに快く、もう僕は立派な子舟です。
「どちらまで」
ピンク色のお客さまは恥ずかしがって余り話しをしてくれないようです。
静かにぽっと。
「うんわかった。しばらく漂うよ。」
強い日差しに桜の花びらは少し疲れたようですがエメラルド色とピンク色の小舟はゆらゆら、どこまでも何処までも続く水の上で綺麗に輝いて二人っきり。
暫くして
「ここから砂川になるよ」
いたずらな小魚がエメラルドをつついてそう教えてくれました。
本流に入れば、なにせエメラルド色ですから魚達がほっとく分けがありません。
始終ちょっかいをかけてきて中にはかじろうとするやからまで。
追い払い、避けるのに精一杯です。
「ほんとにもう構わないでくれ!」
「ごめんね。さくらさん揺れますよ。」
砂川は広くて流れは穏やか、静かな良い川なのですがこの時期は生き物が賑やかに。
あ!次の瞬間
気が付くと大きな影がぬーと襲って来ました。


エンジンはこの陽気であったまったままなのでセル一発でバルン!と
バイクにまたがりしばらくアイドリングさせたまま感じる。
この瞬間が僕は好きだ。
十分にエンジンの振動と音を楽しむ。
「さてどこに行こうかな」
頭の中でうる覚えの地図を広げて海までのルートを考える。
「よし決まり!」
がるんルルル!
森林公園からうるさいバイクの音が遠のいて行く。
そして森はまた静かに自然のオーケストラの音を奏でるのです。
走ると調子良くエンジンの音が響く。
丁度50キロぐらいでグイグイと感じの良いマシンのトルク特性と吹き付ける風が僕を興奮させる。
でもどちらかと言うと走行スピードはかなり遅い、ので車は隙を見て追い越して行くが知った事ではない。
スイスイと脇道に入り、坂を下り、長いカーブをアクセルを全開で曲がる。
後輪がズルズルと滑りながら「もう無理です!」とバイクが叫ぶので、え!もう?と呆れるが
まあ車輪に逃げ出されても困るのでアクセルを緩める。
小一時間ぐらい走って海まで。
降りるとドット疲労感が襲ってくる。
これがまたいい!
だからこそバイクだ!
以前こんな事を聞かれた。
「ねえ例えば貴方は目的地にバイクで行って何をするの?」
僕は「あのねー・・・・・・バイクに乗っているのが目的なので目的地はどうでもいいのよ。」
そう答えた所。
「ふーん」と不思議そうにに。
「で目的地はどこなの?」
もう一度聞かれる。
ふー!やれやれ。
そんな事を思い出したしながらり眺める海は、何もないよと穏やかに素っ気ないので。
ぐび!っと缶コーヒーを一気に飲み干して次の道に行こう。


砂川にはかなりの動物が生息ています。
町からも遠いし食べ物も多く生態系として成り立っているようで鳥類もタヌキやイタチ、ヌートリアもかなりの繁殖だそうです。
エメラルドをたたき飛ばしたのは何だったか分かりませんが気が付くと川の中州に少し折れ曲がりひしゃげて転がっていました。
桜の花びらはもう居ません。
たぶんそのまま落ちて流れて行ったのでしょう。
「無事に海まで行けたのかな。」
少し寂しい思いでした。
そしてすぐエメラルドも強い春風に簡単に吹き飛ばされて川の中州から土手を転がり畑を抜けて道路のわきに落ち込みながらコロコロとよろよろとボロボロになりながら仕方なく転がっていくのでした。


僕のヘルメットはジェット型でバイザーはスモークなのでかなり見た目は厳つい。
車体の色は鮮やかなイタリアンレッドで125ccネイキッドタイプだ。
手間がかかるしバッテリーは弱いしすぐ止まる、あまり出来の良いマシンとは言えない。
本当によく止まる。
信号待ちでもカーブの途中でもストンとエンジンが落ちたりする。
全く信じられない。
誰かが盗んで行っても必ず途中で止まって捕まる事だろう。
でも気に入っている。
理由なんかない無い。
スーパーバイクが凄いのは分かるが(だからスーパーなのね)走っている時は、その瞬間は関係ないね。
僕をどこでもない途中に居させてくれる。
時々バイザーの中で高笑い。
「ハハハハハ!」
今日は静かな公園で素敵な曲もできたしお弁当も美味しかったな。
何もない誰もいない道路をドルドルとエンジンの音だけが響いている。
裏道だから交通も少ないし快適な帰り道だ。
目の前をスッと光るゴミが横切る
人生には時々不思議な事が起きる。
それは何の意味もなく感じることが無意味な瞬間だ。
キツネにつままれたような感じ?。
それは何時間も前に僕が見送ったエメラルド。
遠く離れた確かに存在する意味のないただのゴミだ。だったか。
 びゅーと風に乗って僕の目の前を僕のバイクより速く横切る。
そしてハッキリと見えたエメラルド色。
本当に何十キロも離れた場所でただ一瞬しかも走行中に遭遇。
「またお前か。もう邪魔はしないでくれよ」
と言ったかどうかは知らないが、信じられないけど本当に起こった事だ。
もし近くに農作業をしている人がいたなら歓喜の声を上げて走り去る赤いバイクに乗った変な人が居たはずだ。
「ヒャッホー!」

それからの帰り道に誰もいない広大な畑の中にポツンと、もう既に散ってしまった桜の木があまりにも綺麗だったのでマシンを止めて休憩。
ふー!
バイザーを上げて写真をパチリ。
そこには光の偏光かそれとも何か。
エメラルド色に輝いて。
画像


そして彼はきっと無事に海にたどり着いていると思います。




おしまい



テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 9
ナイス ナイス ナイス
かわいい かわいい かわいい
面白い 面白い
なるほど(納得、参考になった、ヘー)
小さな冒険者 その2 DaTmusic DAMIYA holoholo/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる